こんなのも有りでしょ?NPO法人のECOFFが助成金を使わない4つの理由

アイランダー2015にて

アイランダー2015にて

こんにちは! 離島や海外の田舎でボランティアツアーを実施している村おこしNPO法人ECOFF代表の宮坂です。

2015年も明けましたね。今年の1月23日にECOFFもついに4周年を迎え、いよいよ5年目に突入いたします。

1年目はほとんど稼ぎなし、2年目にようやく事業らしいことができるようになり、3年目にやっと人並みの事業ができて、4年目にして必要としている人がいることに自信を持ち始めました。

さてこの4年間、ECOFFが一貫してこだわってきたことはいくつかありますが、その中の一つが「助成金を使わない」ということです。

特に東日本大震災以降、地域回帰のながれが活性化し、それまで以上に「地域活性化」というキーワードが普及しました。

ですから今では「ECOFFは地域活性化を支援するNPOです」といえば、詳しくは分からなくても、なんとなくは分かる方が増えてらっしゃると感じています。

しかし、ECOFFが「助成金を一切使わない」「参加費を払ってボランティアに参加してもらっている」「専従スタッフは一人」「事務所は国外にある」という事実を知ると皆さん驚かれます。

やはり、地域活性化やNPOというと助成金をもらって運営しているというのが普通だという認識があるのでしょう。

極端な例では、NPOをやってますと言った途端、「お金は政府からもらえるんでしょ?」なんて方もいらっしゃいました。

もちろん、NPOになれば助成金がもらえるわけではありません。助成金事業に申請し、星の数ほどあるその他のNPOの中から勝ち抜いてようやくもらえるのが助成金です。

NPOというのは「儲かるからやる」のではなく、大体の場合は「誰もやりたくないけど必要だからやる」というのが起業のスタートです。

ですから、ECOFFもかつてそうだったように多くのNPOが資金繰りに苦労しているのが事実です。それで、助成金に申請してなんとかして資金を確保する必要が出てくるのです。

 

ECOFFは助成金に頼らないと決めた

ECOFFは助成金をもらわないと決めた

しかし、ECOFFには創業した時点で「助成金にはほとんど頼らず自主事業で資金をまかなう」というビジョンがありました。

結果として、これまで助成金を実際に受け取ったのは1度だけ。それもECOFF本部がある文京区の助成金で額は約5万円。そのすべてを四万十ひのきでできた積み木で遊ぶためのマット購入費と運送料に使用しました。

ECOFF自身、助成金がないと難しいと思ったことがありましたが、何度も考えその度に助成金は不要だという結論に達しています。

なぜ、ECOFFは助成金を受け取らないのでしょうか?なぜ、自主事業のみで運営費を確保しようとするのでしょうか?

それには4つの理由があります。

理由1:つづかないから

続かないから

例えば、あなたが会社で働いていたとして、今まではお給料をもらっていたけれど、ある日突然お給料がもらえなくなったらどうでしょうか? ふつう、その仕事を辞めますよね。

ちょっと乱暴な言い方ですが、それと同じでNPOが助成金をもらうというのは、極端に言ってしまえば助成金を渡す組織に雇われるようなものです。

それに、何をするにも最低限のお金は必要です。助成金というのは、一度もらったらずっともらえるというわけではありません。

もし助成金が無ければできない事業なら、それがどんなに社会的に必要な事業であっても、持続的に続けることはできません。

もちろん、「最初はお金がないからその時だけもらえばいい」という考えもありますし、それも正しいと思います。ですが、その「お金のない時」に助成金がもらえるという保障はありません。むしろ多くの助成金はある程度実績のあるNPOの方が取得しやすいようになっています。

よく政治批判で「バラマキ」という表現がありますよね。あれは自治体に無条件で交付金を与えるため、使徒が分からず無駄に終わるという事例が山ほどあります。

もちろん、助成金とバラマキは全くの別物です。しかし、自分で稼いだお金と他人からおらうお金では同じ金額でも価値がまったく異なりますから、その意味ではバラマキでもらったお金もコンペで勝ち取った助成金も、他人のお金であることに変わりはないのです。

他人からもらい続けなければならないお金に依存するのは、事業の持続性に大きな疑問が生じるとは思いませんか?

無論、これは助成金を活用している団体を批判するものではありません。ただ「それを良しとするか?」というた時に、ECOFFでは「良しとしなかった」ということです。

理由2:本当にしたいことができなくなるから

本当にしたいことができないから

助成金は上手に使えば事業を円滑に発展させられる素晴らしいアイデアです。

ただし、当たり前ですがほとんどの助成金は助成金を申請する段階で使途を決めなければなりません。

ですから、向こう一年間の予定がしっかりと決まっているような団体であれば問題はありません。しかし問題はECOFFにあります。

ECOFFもある程度の事業計画を立てて一年間を過ごしますが、ECOFFには「活動地域が1ヶ所ではない」という特殊性があります。

同時に、ECOFFではスピードを大切にしています。ECOFFが対象にしている地域のほとんどは、あと10年後に残っているかどうか分からないという地域ですから、のんびり構えているわけにはいきません。

こうした特殊性を抱えたNPOですから、助成金を利用するがゆえに申請したこと以外の活動ができないという事態になるのを避けたいのです。

例えば、ある日ある地域から必要とされればすぐにでもボランティアツアーを実施したいと思っています。

しかし、もし助成金をもらっていたら「すみません。あなたの地域では助成金を使って事業できないので協力できません。」なんてことになりかねません。

一方で、現在のECOFFのように自主事業のみで資金を得ていれば、そんな縛りはありませんから「わかりました。すぐに計画を立てましょう」とできるのです。

実際、2014年度には半年の準備期間でボランティアツアーを実施した地域が3ヶ所もあります。

こういった面からも、ECOFFでは助成金に頼らずに運営したいと考えています。

理由3:不透明なお金だから

不透明なお金だから

ところで、助成金のお金の出どころについて考えてみたことがありますか?

助成金には大きく分けて国庫から支出するものと、企業が支出するものの二通りになると思います。

そのお金の元をたどると、どちらとも不特定多数の方が支払った税金や商品代金からまかなっているものです。

これらのお金をどのNPO法人に助成金を寄付するのかを決めるのは国家や企業です。当然のことながら、ここには実際にお金を出した人々の意思は介在しません。

つまり、助成金というのはもともとのお金を出した人が寄付先を決めるのではなく、そのお金をもらった国家や企業が決めているのです。

ECOFFでは、このようなお金は不透明なお金だと考えています。なぜなら、助成金そのもののお金は元を正したら助成金として使うことを望んで使われたお金ではないからです。

そのお金を出した人は、あくまでも税金やその企業の商品のために出したお金です。それよりは、消費者に直接ECOFFにお金を使いたいと思って寄付やECOFFの商品にお金を出していただき、その金額内でできる限りの活動をするのが本筋だと思っています。

これは富の再分配という視点から考えると矛盾した考えですが、できる限りECOFFそのものに出資したいという方のお金だけで運営していきたいと考えています。

理由4:オンラインショップ「えこふ市場」の売上があるから

えこふ市場

とはいえ、実はまだまだボランティアツアーの売上だけでは余裕をもって運営できないのも事実です。そこでECOFFではオンラインショップ「えこふ市場」を通じ四万十川で作られるひのき家具の販売をしています。

もちろん、えこふ市場とボランティアツアーの双方が存在していため、ECOFFは経済的に健全に運営ができているのです。

このように、ボランティアツアーと関係のある商品の販売をすることは結果として地域活性化に貢献できますし、資金繰りに頭を悩ませる必要がなくなります。

とはいえ、えこふ市場も最初はまったく売上がなかったのですが…。四万十川のスタッフには本当に感謝しています。

番外編:参加者から参加費をもらう理由

参加者から参加費をいただく理由

最後にECOFFでは助成金を使わない理由のほかに、参加者に参加費をお支払いいただいている2つの理由についてご説明します。

私たちは参加費には主に下記の効果があると考えています。

1,事業を持続させる効果

事業をつづけるために

1つは助成金を使わない理由と同様で、事業を持続させるためです。

このような地域活性化活動を行う場合、助成金や自治体の補助金を活用して参加費を無料にしたり安価にする場合がほとんどです。

それ自体は、参加者の負担を軽減するということで素晴らしいことです。しかし、もしその助成金や補助金がなくなってしまったら参加者が集まらない、活動を実施できないというのはもってのほかです。

一時的なお祭りをするのであれば、それで良いかもしれませんが、地域活性化とは長い時間をかけてようやく成果が見えてくるものです。

例えば、民主党が与党になった際に「事業仕分け」が行われましたよね。仕分けられた事業のなかに「はやぶさ」計画があったのも有名な話です。

そのように助成金や補助金がないとできない、つまり社会で助け合わないとできないような事業の場合は大いに活用するべきです。

しかし、ECOFFのボランティアツアーなどは参加者から参加費をいただいて実施することが十分可能なのです。

最初は、お金を払ってボランティアする人なんていないと思っていました。今でも参加費を支払ってボランティアツアーに参加する人の存在を素直に信じる人はまれです。

ですが、実際に現在では年間に200名もの方がECOFFのボランティアツアーに参加しているのです。このように自力で経費を稼げる事業は自力で稼ぐべきだと考えています。

さらに、ECOFFでは本当に必要最低限の費用だけをいただいています。参加費は10日間で35,000円。このほかに交通費なども必要ですが、それでも一般的な学生なら学問と両立して貯められる金額です。

しかも、ECOFFの実施しているボランティアツアーは地域活性化につながると信じて実施していますが、活動の性質上どうしても参加者自身の学びや楽しみという点が強いのも事実です。

そのためECOFFのボランティアツアーは参加者自身から資金調達がしやすく、かつ貧困や差別をなくすといった活動と比べると緊急性が低い活動のため、税金や企業の商品購入のために使われたお金をつかうべきではないと考えています。

これは、参加者の方には悪いニュースだったかもしれませんね(笑)

2,良質な参加者の募集

良質な参加者の募集

また、参加費を設定すると参加者をフィルタリングできる効果もあります。自治体や企業に協賛していただき参加費を無料にしたり安くしたりするのと、必要最低限の参加費をいただいて参加者を募るのとでは、どうしても参加者の性質が異なってきます。

ボランティアをするのに参加費を払うなんて馬鹿げてるとおっしゃる方もいらっしゃいます。ですが、参加費が必要だということは、参加費を支払ってでも参加したい人しか参加しないということです。そして、そうした参加者は参加費分を取り戻すために一生懸命学ぼうとします。

実際、無料のボランティアツアーだとボランティアはせずに遊んでいる人がいるという話も聞きます。

また、ECOFFでも過去に参加費を下げたり上げたりする実験を行ったことがあります。

その結果、参加費を下げると参加者の成長意欲が若干減ることが分かり、逆に参加費を上げすぎるとボランティアツアーなのに高すぎると言う意見をもらいプログラム評価が下がったことがあります。

したがって、現在ではすべての地域で原則10日間35,000円という参加費に設定しているのです。

2015年もよろしくお願い申し上げます。

2015年もよろしくお願い申し上げます

主に以上の2点の効果から参加者から参加費をいただくことにしています。そして、先述の4つの理由から、ECOFFでは助成金を使うようなことはしていません。

ECOFFは、複数の拠点で地域活性化活動をしている特殊なNPO法人です。そのうえ、参加費の必要なボランティアツアーを実施しています。そのため、時として誤解されることもあります。

ですが、ECOFFでは今の方法が私達にできる「持続可能な地域活性化」だと信じています。

そこで少しでもECOFFのことを分かっていただければと思い、4周年を目前にした今、この記事を執筆しました。

ECOFFの考えは、その他の団体にも参考になるのではないかと思います。

ちなみに最近「スタンディングデスク」を自作したのですが、上の写真はその時の作業風景です。近々作り方をご紹介しようと思っています。

それでは、本年も地域の方と参加者の声に耳を傾けてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。