6月。
トカラ列島の宝島の港は朝も夜もにぎやかです。
それは、トビウオが港にはいってくる季節だから。
この時期になると、トビウオは産卵をするためにおだやかな場所を求めて海を泳ぎます。
トカラ列島の港は海と直接つながっており、フェリーの入港は週に2回だけ。
トビウオにとってはちょうどいい産卵場所なんです。
そんなトビウオたちをいっきに捕まえるのが、島の人々のなによりもの楽しみ。
捕まえたトビウオは文字通り山分けにして作業に参加した人同士で均等に分け合います。
そのあとは刺身にするも良し、食べきれないぶんは冷凍もしくは写真のように干物にします。
トビウオ漁にはいろいろな方法がありますが、ここで紹介しているのは、港に網をしかけるダイナミックな漁。
大きなネットのからまりを直し、そしてていねいに海にしかけます。
トビウオは夜の間に港に入り込み、そして網にひっかかってしまいます。
翌日、網をしかけた人々があつまり、いっきに網を引き、ひっかかっているトビウオを外していきます。
その漁は数100匹を超える「大漁」。
こうして、人々は海の幸をいただき暮らしているのです。
(取材:2011年6月 宮坂大智)