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廃用母牛について

今日は活動2日目でした。

山地さんが所有している4つの牧場のうち、3つを回りました。

牧場間の移動は車で、牧場はそれぞれ別府や久住、長湯にあります。

1つめの牧場での活動

最初は、昨日とは少し異なる場所で牛さんに草をあげました。 

そして少し車で移動して、牧草を育てている畑で草取りをしました。

この草取りは、5,6キロを目安に、コンテナにひたすら草を集めていく作業で、足腰が強くなる作業ともいえます。今日は比較的風が冷たくて気持ちよく作業ができたけれど、太陽との距離が近い山の上はとても暑いです。昨日からの学びとして、水分補給と効率よく進める方法を念頭に置いて作業しました。

そのあとは、畑のすぐ上のほうに住んでいるおじいちゃんとおばあちゃんの家の玄関で、休憩をして涼ませてもらいました。地域の方と、牛さんのことや山の生活のことについてお話ができたことは貴重な体験でした。せんべいもいただきました!

休憩後はまた畑に戻り、草取りをしました。太ももの裏から筋肉痛の気配がします。

2つめの牧場での活動

ここには黒牛さんたちがいます。

糠(ぬか)の上におからをのせる方法で、二種類の飼料をあげました。

※なぜおからなのか

トウモロコシなどの輸入飼料を使用したくない山地さんの考え方から。

おからではなくてもやしや野菜くずでも問題はないけれど、なかなか手に入らない現状。

そこでおからに着眼すると社会の中で捨てられるものとされていることを知る。それは水分が多いから腐りやすく、そして重いから。

しかし高タンパク低カロリーというメリットを牛さんに活用して、おからは捨てるものという概念を変えている。

3つめの牧場での活動

ここには主にジャージーがいます。

糠をあげました。

おからと同じようになぜ糠を使用しているのか、また明日山地さんに聞いてみようと思います。

放牧しているので牛さんに糠をあげるときは、「おいでー!」と大声で声をかけて探してひとつの場所に集めなければなりません。

今日は「13頭集めてから糠をあげて」という指示を受け、学生3人で精一杯集めましたが10頭しか集めることができませんでした。

そのあとは、紐でツノを括られた4頭を引っ張って外に出しました。重くて重くて、無理に引っ張ると歩いてくれないけれど、お尻を叩いたり声掛けをし続けたり表情を見ながら接すると歩いてくれてとてもうれしく思いました。

この4頭はいわゆる子供を産めなくなって価値がないとみなされた廃用母牛と呼ばれる牛さんたちです。

※廃用母牛とは 山地さんのお話から

繁殖をしていると、ホルモンの影響で妊娠できなくなる牛がでてくる。

用無しになってしまった牛さんたちが、自分の牛さんの中からもでてきた。(いまは養殖はしていません)

廃用になった牛さんは価値がないわけではない。捨てられるわけでもない。たくさん太らせてお肉として市場には出ている。

でも山地さんはまだ妊娠できるのに捨てるのはどうなのか?という考えをもっていて、できる限り牛さんたちを使い続けたい。

自然放牧の中で、廃用とされた牛さんたちが過ごすことは最期の迎え方としてとても良いのではないか。

人がいらないといったものを引き取って価値があるものに変える。牛さんの使い捨てなんてとんでもない。

このようなサイクルに則るといずれ廃用という言葉はなくなるんではないか。

同じような考えをもっていらっしゃる長崎の養殖畜産農家さんが今日はいらしていました。

そこの牧場に行く4頭(あとから2頭追加)をトラックに載せ、いってらっしゃいをしました。

山地さんは養殖はしていないので、長崎の牧場に行って子供を産んで、その生まれた子供がまた山地さんのところに帰ってくるそうです。素敵なサイクルだと思いました。

今日は学びが多かったです。牛さんの紐で引っ張ることも大変だったけれど、私たちがいないときは山地さんが一人で行っている仕事量だと思うと、大変なんて言ってられないと思いました。貴重な一次産業のなかの畜産に携われるこの9日間。吸収できるものは全部吸収して、必ず自分の将来の糧にします!

まだ3日目、明日も頑張ります。