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別府⑥ 生命を頂くとは

別府B日程6日目の体験記です!

今日は6時に出発して毎朝の餌やりをした後、昨日運搬した仔牛三頭(みみ、みはる、福三郎)のセリへと向かいました。

今回のセリは、生まれて10ヶ月程の黒毛和牛の仔牛市場です。セリを終えた牛たちは、購買者の牧場へと移り、そこで2年ほど育てられます。その後最終的には先日の体験記のロクちゃん(別府④参照)のように屠畜され、我々消費者の元へと流通する流れとなっています。

会場に着くとセリに出す順番で牛たちが一面に並んでいました。順番が近くなると顔まわりに結ばれたロープと鎖を繋ぎ、レールに沿って歩きます。そして体重を測り、競り場へ連れていきます。

私自身もこの先立つことの無いであろうセリ台からの風景。生まれて一年も満たない牛たちの価値が、数字になって金額になって次々と裁かれていく様を目の当たりにしました。

ほんの一瞬の出来事でした。育ててきた畜産家の方の愛情や苦労、母親や仲間の牛と離れ離れになって泣いている牛の気持ちを考えると、あまりに呆気なさすぎて何とも言葉が出てきませんでした。

セリが終わった牛たちは購買者ごとに区分けされ、買い手の牧場へと運搬されるまで待機をします。

そこでは沢山の牛が所狭しと紐で結び付けられており、その多くはとりとめもなく泣き続けている様子が印象的でした。

私たちが送り出したみみ、みはる、福三郎の3人が、無事新しい環境でどうか大切に、愛されて育てられることを祈りたいと思います。

セリが終わった後は、一昨日屠畜場へ連れて行ったロクちゃんがひとまず内臓になって帰ってきました。お肉になるのはもう少し後だそうです。

ここ3日間は出荷したり、屠畜場へと連れて行ったりと、良い意味でイレギュラーなイベントが続きましたが、その局面に立ち会えたことは本当に貴重でした。

人間が生きていくために必要な「食」を支える背景や過程には、人間に限らず数えきれないほどの思いが介しており、生命を頂いていることの本当の意味を、身をもって実感した数日間でした。