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ドア枠

焼尻島に来て4日目。

日本中が平成最後の日を話題にしている頃、僕らはログハウスの壁板と壁板を金槌で組み合わせていた。

ゆっくりと時間の流れる島の朝、ログハウスに関して、大変なことに気がついた。昨日シリコンを接着剤として使い、しっかり壁に固定したログハウスのドアには、実はシリコンは必要なかったことが分かった。おまけに床板を削る作業を飛ばしていたので、ドア枠ごと持ち上がってしまっていた。ただ、ドア枠の上の部分の壁を作っていなかったことが幸いだった。なんとかしてドアを外し、床板を削らなければ。そうして午前中のほとんどを費やしてドア枠と壁の接着部分のシリコンをカッターで剥がし取っていった。何度もドア枠を持ち上げようとしたが接着部分がくっついたままで、動かない。地道にカッターの刃を隙間にさし入れ、シリコンを切っていく。すると、徐々にシリコンがとれていった。最後にはドア枠全体を持ち上げることができた。その瞬間、みんなの心が一つになった。それはまさに、みんなで協力し、小さいことだが、一つのことを成し遂げた瞬間だった。

午後からは、壁板を組み合わせ、梁を通す作業をした。令和までのカウントダウンをする気力まで作業に費やした僕らは早めに床についた。この日、屋根板まではできなかったが、あのドア枠という難関を乗り越えたことで僕らの結束力が増したことは確かだった。