早朝5時、僕たち3人はトカラ列島の最北端、口之島に到着した。口之島で僕たちが参加するのは、400年以上にわたって口頭で継承され続けている「口之島狂言」だ。
台風の影響による活動期間の短縮によって、僕たちの活動期間は当初の半分程度となり、残念ながら狂言そのものへの参加は見送られることになった。参加できるのは、狂言とともに行われる盆踊りのみだ。
来島前、僕は活動期間が半分になったことで、限られた期間でも充実した活動ができるのか、不安に感じていた。しかし今日、狂言の練習会に参加して、その不安は一気になくなった。
狂言の練習会には、島の男たち約20人が集まっていた。集合した当初はリラックスした雰囲気だったが、練習が始まった瞬間、まるでスイッチが入ったかのように、男たちの間に張り詰めた空気が漂った。
細かな抑揚やアクセント、目線の動きまで、一切妥協することなく練習が行われる。本気で狂言と向き合う大人たちを目の前にして、僕は瞬きを忘れるほど、その世界に引き込まれた。そして、地域の伝統行事の価値を守り、次の世代へつないでいこうとする島の人たちの姿勢が、輝いて見えた。
口之島では、直近3年間で人口が約30人減少している。そんな中で、今年の狂言には島民だけでなく、普段は島の外から島を支える十島村役場の職員、そして僕たちECOFFの学生も参加する。
今日、初めて練習会に参加し、島の人たちが口之島狂言を大切に守り、継承している姿を目の当たりにした。そのような島の宝物を未来へつなぐお手伝いをさせていただけることに感謝し、リスペクトを持って盆踊りを踊りたい。
本番は8月15日。島の人たちが大切に繋いできた伝統に敬意を持ち、立派な踊りを披露できるよう、明日の練習も頑張りたい。
筆者:そうま

