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第2のふるさと

11時05分。港に大きな汽笛が鳴り響き、船体がゆっくりと岸壁を離れていく。すると、演奏が始まった。

今日はフェリーが鹿児島へ向けて出発する日だ。そしてちょうど1人の中学3年生が島を離れることになっていたらしい。

島にひとつだけの小中学校は、全校児童・生徒わずか12人。

ギニアとの交流を通してこの島に伝わった、ジャンベという太鼓のような楽器を叩き、そして踊り、全員で彼を送り出す。

3年間を過ごした島との別れを惜しむ彼の目はときどき潤み、懸命に手を振り返していた。港が見えなくなると、彼は島に背を向けた。その表情は、どこか凛として頼もしかった。

9日間、島にとけこんできた私たちもまた、別れ際に、島の人々の温かさに心を和ませた。

竹島中学校を卒業し地元に帰る彼と、ボランティアをさせてもらった私たち。立場は違うけれど、竹島が第2のふるさととなったのはどちらも同じに違いない。