スーパー物知り&視野が広く視座が高い人
阿部正幸さんの村おこしボランティア
三陸漁場
募集情報
村おこしボランティア【三陸漁場コース】
- 参加者層:大学生を中心としたプログラムです
世話人の希望により、15歳から60代前後まで参加可能な場合があります。 - 募集日程
- A日程:2026年8月20日(木)〜2026年8月29日(土) 【9泊10日】
- B日程:2026年9月4日(金)〜2026年9月13日(日) 【9泊10日】
- 参加形態:少人数制(1〜4名程度)
はじめての方・1人参加がほとんどです。
人数に関わらず実施され、事前相談は早めにエントリーされた方から行います。 - 費用:77,500円(リピーターは3,000円引き)
- スケジュール
- 初日
綾里(りょうり)駅で現地世話人と合流
※合流時間については、お申し込み完了後に招待するLINEグループで世話人にご相談ください。 - ボランティア中
PADIオープンウォーターライセンス講習(4日〜6日)
漁業作業(ホタテの間引き作業、ワカメの種付け作業、ホタテの発送作業)
漁師への取材(webやSNSで発信する記事のための取材をおこないます)
海岸や河川の清掃作業
休憩時間には、釣りやシュノーケリングなどで、海を満喫しましょう! - 最終日
綾里(りょうり)駅で解散
※解散時間については、お申し込み完了後に招待するLINEグループで世話人にご相談ください。
- 初日
- 備考
10日間の活動期間のうち4〜6日を使ってPADIオープンウォーターライセンスの取得講習を行います。
インストラクターは、これまでに10,000本以上潜っているベテランダイバーであり、本コース世話人でもあるクマさん(本名:佐藤寛志/ダイビングショップみちのくダイビング Rias/PADIインストラクター)が務めます。
既にライセンス(Cカード)保有の方は、参加費が減額となります。ドライスーツでの潜水など、スキルを改めて確認しながら他の方のライセンス取得をサポートしていただければと思います。エントリー時にお知らせください。
津波と火災を越えてきた海辺へ──岩手・綾里で出会う「生きる力」

岩手県大船渡市の東部、リアス海岸が複雑に入り組んだ半島の先端に、綾里(りょうり)という小さな漁村があります。
コンビニはない。飲食店もない。でも、海がある。山がある。そして、何度も大きな災害を乗り越えてきた、逞しい人々がいます。
村おこしボランティア【三陸陸漁場コース】で世話人を務める阿部正幸(あべ・まさゆき)さんは、北海道出身、大阪でサラリーマンを経験後、三陸で漁業に関わる生活をしています。

何がそうさせたのか。その話を、少し聞いてほしいのです。
一週間のつもりが、15年になった──3.11から始まった阿部さんの旅
2011年3月11日。阿部さんは大阪でサラリーマンをしていました。
しかし、震災が発生しボランティアとして岩手へ。最初は「一週間のつもり」だったそうです。でも、その一週間が終わりませんでした。

岩手県大槌町で教育支援のNPO職員として1年半。その後、水産業の情報発信や関係人口づくりに取り組むベンチャー(東北食べる通信)の立ち上げに参画し、東北中の生産者と知り合っていきます。
大船渡市の漁村、綾里に住み始めたのは2019年のこと。きっかけは、震災10年が近づくにつれ、震災がきっかけで都会から移住した人々が三陸を去り始めていたことでした。

阿部正幸さん
震災後は復興に関わる仕事などで多くの都市出身者が住んでいましたが、そういった人々が相当減ったタイミングでした。逆にここに住もうか、と。ちゃんと証人がいないといけない、みたいな
天邪鬼、と阿部さんは笑います。でも、その言葉の奥には、真剣な問いがありました。
東日本大震災は日本に何を残せたのか? 国家予算規模の復興予算が費やされても、地域の課題の多くは解決していない。それを見続ける人間が必要だ、と。
綾里での暮らしが始まっても、生活の苦労は意外なほどなかったといいます。「年収100万の年もあったけど、困らなかった」と。

コロナ禍で打ち合わせがオンラインに移行し、田舎にいるディスアドバンテージはほぼ消えていた。復興事業で道路も町も整備され、住みやすくなった環境をを享受しながら、朝は浜で仕事し、9時からはデスクワーク。そういう暮らしが静かに始まりました。
縄文から続く産業が、今、揺れている──三陸が抱えるリアルな課題
綾里という地域を知るには、その歴史から入る必要があります。
1896年の明治三陸津波では、綾里の集落人口の53%が死亡または行方不明となりました。その後も昭和三陸津波、チリ津波、そして2011年の東日本大震災。130年の間に4度、35年に1度のペースで津波が来ている場所です。

それでも人々は戻り、増え、漁業を続けてきました。3.11の年の秋にはもうワカメ養殖を再開していた漁師がいます。2025年の大船渡市大規模林野火災でも、地域の逞しさを阿部さんは改めて感じたといいます。
ただ、その火災は「まだ終わっていない」のです。


阿部正幸さん
水害なら雨が止めば復興が始まるけれど、山火事は焼けた木がこれからバキバキ倒れていく。地域の樹木の多くが、根本が焼けています。人間で言えば、栄養や水を吸収する内臓に大火傷を負ったのと同じです。被害がどれほど深刻になるか、まだわからないんです
豊かな三陸の海の恵みを受けて長年続いてきた集落が、今、気候変動という新しい現実にさらされています。2024年、三陸の海は世界で最も水温が上昇した海域の一つになりました。縄文以来ずっと食べ続けてきたシロザケが、全く獲れなくなっています。
外から若い人が来ることで、地域は変わるのでしょうか。
阿部正幸さん
ECOFFなどを通じて地域を訪れた若者の多くが、リピーターとして春の繁忙期など、漁業の手伝いに地域を再訪してくれています。とにかくどの漁師も繁忙期は人手不足。こうした漁師さんにとっては、こうした若者の存在は本当にありがたいんです



関係人口が、災害時に真価を発揮する。それも阿部さんが身をもって知ったことです。2025年の林野火災の時も、過去のECOFF参加者がボランティアとして駆けつけました。
「逞しくなる」というのは、ちゃんと本当のことです──学生たちとの7年間
阿部正幸さん
4人いたら4人とも、それぞれ違う成功体験がある。そこに応じた経験をさせてあげたいですね
2018年ごろにECOFFで来た学生が、今はNHKの記者になっています。2025年の林野火災という全国ニュースの最前線に立っていました。
「彼女が生放送で喋っているのを見て、感無量というか。世話人と学生の関係からスタートして、今は社会人同士として付き合えています」
大学での研究テーマが海に変わった学生もいる。高校生のときに来て、今は自分で団体を立ち上げた人もいる。ダイビングのライセンスを取って、関東で藻場(もば)再生活動を続けている人もいる。

阿部さんが大切にしているのは、「4人来たら4人ともそれぞれの成功体験がある」ということです。
ボランティアとして地域に貢献する」を皆が目標にすると、ちょっとハードルが高いと思います。まずは参加者が力をあわせて三食自炊して、早起きして生活する。


小さな成功体験の積み重ねを大事にしながら、地域との関わりを増やしていけば、多くの参加者が地域にとけこめると感じているそうです。
「三陸を心配しなくていい、あなた自身を心配して」──阿部さんが伝えたいこと
「僕らを心配するんじゃなくて、あなたたちのことを心配したほうがいい」
三陸に来る参加者の多くは、「復興したんですか」と聞くそうです。
阿部さんは、優しくそれをひっくり返します。三陸に住む人たちは、過去、多くの災害を経験しており、防災意識や準備もしっかりしています。
もしライフラインが絶たれるようなことがあって、1ヶ月くらい自力で生活できるような準備のある家が多い。こういった住民の能力を「レジリエンス」といいます。

むしろ心配すべきは、東京、名古屋、関西など太平洋に面した大都市の住民ではないか、と。
南海トラフ、首都直下地震。大きな災害がいつ来てもおかしくない時代に、自分の地域のハザードマップを読んだことがありますか? 災害発生最初の5分に何をしますか? と。
阿部正幸さん
言葉で言うより体感してほしい。三陸に来て、多くの災害を経験しながらくぐり抜けてきた人の逞しさを見て、災害への地域や備えなど、自分の引き出しをを増やしてほしいですね
自然と人間の間に壁を作りすぎない。自分とコミュニティの繋がりを持てること。その出発点として、このコースがあるのだと思います。

参加する前に、2011年3月11日に何が起きたのかを、少し調べてきてほしい、とも言います。「ダイビングができてよかったね」で終わるのと、アンテナを立てた状態で来るのとでは、持ち帰れるものが全然違う、と語ります。
三陸漁場コースでできること──ひと目でわかるコース概要
おおまかなスケジュール
7:00 朝食(参加者が自炊)
7:30 出発。午前中はダイビング講習 or 漁業の手伝い(ワカメ刈り・塩蔵作業など)
午後 ゆとりの時間/周辺観光/ダイビング学科試験の勉強/買い出し・料理
不定期 陸前高田・津波伝承館への見学/防災ワークショップ(約2時間)
天候次第 波が高い日は屋内プログラムに切り替え。海も漁業も、自然が先生です。
最初の2〜3日はダイビングの学科試験の勉強がメイン。慌てなくて大丈夫です。




持ち物
特別な装備は不要です。ダイビング機材は全てこちらで貸し出します。
おすすめ:ぴったりしたインナー(タイツ・コンプレッションウェアなど)
→ 冬はドライスーツのインナーとして重宝し、夏も虫さされを防げるので、どの季節でも便利です。防寒性が高く、動きやすく、洗濯後の乾きも早い。ワークマンでリーズナブルに揃います。スウェットや厚手のトレーナーは乾きにくいため、インナー重ね着がおすすめ
夏参加の方:水着(ウェットスーツの下に着用)

冬参加の方:ドライスーツを使用するため水着は不要。ロングTシャツ+インナーでOK

宿泊・食事
宿泊場所:阿部さんの家(築30年・広めの古民家風一軒家。畳と障子のある清潔な空間。ユニットバスあり)
部屋:男女別・4部屋
食事:三食すべて参加者で自炊。3日に1回、大船渡市内に買い出しへ(片道約30分)
特典:ECOFF参加者以外にも、地域の仕事で泊まりに来た社会人や火災復興ボランティアなど、さまざまな大人と食卓を囲める。これが思わぬ出会いになることも
コンビニ・飲食店はなし。近くに自販機・小さなスーパーあり(自転車圏内)
自分の中に「引き出し」を増やすということ──参加を迷っているあなたへ
自然と人間の間に、壁を作りすぎない。
それが阿部さんの言葉です。ワカメがどうやって育つか、魚がどうやって獲られるか。いざとなれば電気がなくても、携帯がなくても生きていけるかもしれないという感覚。そういう引き出しが、ひとつずつ増えていく10日間です。

参加を迷っているなら、迷ったまま来てもいいかもしれません。「ダイビングしてみたい」「漁業ってどんなものだろう」、その程度の気持ちで十分だと思います。来る前に、2011年3月11日のことを少し調べてきてくれると、きっとアンテナが立った状態で来られます。
何度も大きな災害を経験し、それでも立ち上がり続けてきた三陸の人々のそばで過ごす10日間は、きれいな感動だけではありません。現実があって、問いがあって、それでも海は美しい。ダイビングのライセンスという形に残るスキルと、消えない記憶を両方持ち帰れるコースです。
よくある質問(FAQ)
Q. 農業やボランティアの経験がなくても、本当に大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。阿部さんが最初に参加者に伝えることは「まず自分たちでちゃんと生活してください」ということ。3食作って食べること、それが最初のゴールです。三陸は震災以来、外から来る人を受け入れてきた土地。「思いっきりやらせたほうが彼らの成長になる」という文化が根付いています。
Q. ひとりで参加する学生は多いですか?
A. ECOFFの参加者の多くは一人での参加です。宿舎では参加者同士が共同生活を送るため、自然と仲良くなれます。また阿部さんの家には、地域の仕事で来ている社会人や復興ボランティアなども泊まっているため、ECOFF参加者同士だけでなく、さまざまな人と出会える環境です。一人だからこそ、得られるものがあるかもしれません。
体験記
- 三陸漁場 体験記
お別れの日 またいつか!
- 三陸漁場 体験記
ありがとう海! 最後のダイビング
- 三陸漁場 体験記
水族館とわかめ作業で広がる学び
参加者の声
土井敬人さん(2018夏日程)
M.T.さん(2019春日程)
Y.Z.さん(2022年春日程)
星野達也さん【20代 社会人・初参加】
アクセス情報
新幹線利用で東京から来る場合
- 東北新幹線やまびこ 東京→新花巻 JR釜石線に乗り換えて釜石駅へ 釜石で三陸鉄道に乗り換え綾里駅へ
高速バス+鉄道で東京から来る場合
- 高速バスで花巻駅へ (岩手県交通などが運行中) JR釜石線に乗り換えて釜石駅へ 釜石で三陸鉄道に乗り換え綾里駅へ
- 日程により、東京-大船渡の直通高速バス(けせんライナー)を利用することもできます。
仙台から来る場合
- 高速バスが仙台・大船渡市間を運行しています。ダイヤや運行本数が流動的なので、開催前に都度お知らせします。
※前泊も可能です。
宿泊施設について
活動期間中は、世話人の自宅(管理人あり)に宿泊します。
男女別の相部屋を基本とした、シンプルで清潔な滞在環境で、寝具・暖房・浴室・洗濯機・ヘアドライヤーなど、生活に必要な設備は揃っています。
食事は自炊が基本で、共有キッチンを利用します。なお、食材や調味料は世話人と参加者で買い出しに行きます。
よくある質問
初心者・未経験でも参加できますか?
できます。
ECOFFは、経験よりも「やってみたい」という気持ちを大切にしています。多くの参加者が未経験からのスタートです。
参加に年齢制限はありますか?
主に大学生・若者世代を対象としていますが、プログラムによっては社会人の参加も可能です。
※詳細は各募集ページをご確認ください。
参加費には何が含まれますか?
宿泊費・食費・プログラム運営費などが含まれます。
交通費は原則自己負担です。
友達と一緒に参加できますか?
可能です。
ただし、参加可否はそれぞれ個別に判断されます。
何日間参加する必要がありますか?
コースごとに異なります。
数日〜2週間まで幅があります。
途中参加・途中退出はできますか?
原則できません。
プログラムは全期間参加を前提に設計されています。
持ち物や服装はどんなものが必要ですか?
作業しやすい服装・汚れてもよい靴が基本です。
詳細な持ち物についてご質問やご不明点がある場合は、参加確定後にご案内するLINEグループでご相談ください。