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そっと見守ってくれながらも、困ったときにはすぐ手を差し出してくれる人

男鹿きみこさんの村おこしボランティア

太田町

募集情報

村おこしボランティア【太田町コース】

  • 参加者層:大学生を中心としたプログラムです
    世話人の希望により、高校生から20代前後まで参加可能な場合があります。
  • 募集日程
    • 夏日程:2026年8月15日(土)〜2026年8月24日(月) 【9泊10日】
  • 参加形態:少人数制(1〜4名程度)
    はじめての方・1人参加がほとんどです。
    人数に関わらず実施され、事前相談は早めにエントリーされた方から行います。
  • 費用:46,900円(リピーターは3,000円引き)
  • スケジュール
    • 初日
      • 「横沢車庫前」(角館・六郷線/羽後交通または、長信田線/大仙市コミュニティバス)に集合
      • 集合時間はバスの到着時間(各路線1日3本ほど)ならどの時間でもOKです。
      • 全員集合後、オリエンテーション
    • ボランティア中
      • 地元の農家さんのお手伝い
      • 薪割り
      • リフォームの手伝い
      • 温泉の大掃除 など
    • 最終日
      • 午前 片付け/地域の方への挨拶
      • 午後 解散

※ 参加申し込みではありません
※ 募集開始時にメールでお知らせします

花火が日常に溶ける町で、人と出会い、自分を広げる旅へ

秋田県大仙市太田町で暮らす男鹿きみこ(おが・きみこ)さんは、広大な水田地帯と花火の煙がただよう地域で、「自分たちが住み続けたい地域は、みんなが住みたくなる」という信念のもと、地域づくりに取り組んでいます。

村おこしボランティア【太田町コース】では、参加者とともに農作業や地域イベントのサポートを行い、都会では決して出会えない”田舎の人間らしさ”を体験してもらう予定です。

日替わりで違う表情を見せる景色が自慢の太田町

太田町は秋田県の内陸、奥羽山脈の西側に位置しています。東に山、西に広大な平野。そのコントラストが、この地特有の景色を生み出しています。

秋田というと山深い場所のイメージを持つ方が多いかもしれませんが、米どころだけあって平らな土地が広がっています。

特に田植えの季節、水が張られた水田が空を映す光景は、まるでボリビアのウユニ塩湖のよう。この絶景が見られるのは、わずか1週間ほどだといいます。

夕焼けも絶品で、空が広い分だけ色が広がります。夜は明かりが少ないため、肉眼で天の川が見えるほどの星空が広がります。

男鹿きみこさん

男鹿きみこさん

秋田って山の中のイメージがあるかもしれないけど、意外と平らなんです。米どころなので平らなところがいっぱいあって。水田に水が入ると、ウユニ塩湖みたいに反射して綺麗なんですよ。肉眼で天の川が見えるところです

そして、何より個性的なのが「花火」です。大仙市は全国的に知られる「大曲の花火」のお膝元であり、大仙市には花火屋さんが4軒あります。

試し打ちや卒業式の祝砲が日常的に上がるこの町では、花火大会でもないのに夜空に大輪が咲くことがあります。地元の人は誰も振り向かないという、その光景がまた絶妙です。

関東の花火大会のように人波に押されることもなく、職人さんが打ち上げる花火をすぐ近くで眺められる体験は、参加者にもれなく喜ばれているといいます。

馬を求めて、岐阜から秋田へ。すべての縁をつないだのは、馬だった

男鹿さんの出身は岐阜県瑞浪市。大学進学を機に秋田県へ渡り、そのままこの地に根を張ることになりました。そのきっかけはあまりにも純粋で、少しだけ笑えるものでした。

男鹿きみこさん

男鹿きみこさん

『暴れん坊将軍』の影響かな(笑)。気づいたら馬が好きだったんです

思えば、小学校の家庭科のエプロンで選んだ柄は馬。高校では下校途中にある乗馬クラブに通い始め、大学でも馬術部へ。馬を追い求めるうちに北海道の生産牧場を経て、結婚を機に秋田県大仙市太田町へと移り住みました。

太田町でも最盛期には7〜8頭の馬・ポニーを飼育し、障害のある子どもたちへのホースセラピーや乗馬体験、馬の堆肥を使った野菜栽培と環境教育など、馬から派生する活動を次々と展開しました。馬は、ただの動物ではなく、地域と人をつなぐ媒介でもあったのです。

今は諸事情で自ら馬を飼うことはなくなりましたが、馬のいるイベントに呼ばれれば「はーい」と駆けつけます。福島・相馬の「野馬追祭り」にも足を運ぶなど、馬との縁は今も途切れることなく続いています。

「オレだどもいたか」秋田弁と屋号が彩る太田町の日常

移住してからしばらく、男鹿さんを最も困らせたのは「言葉」でした。年配の方の秋田弁は、知らない単語が続出するうえに、電話越しでは特に聞き取るのが大変だったといいます。

男鹿きみこさん

男鹿きみこさん

電話で『俺だどもいたか』ってかかってくるんです。名前を聞いても『商左衛門の家だども』って屋号で答えが返ってきて。何百年も前のご先祖の名前が今も呼び名として生きているんですよね。農協でも『男鹿ですけど』と名乗ったら『ハチミツの男鹿さん? キノコの男鹿さん?』って。『いや、馬の……』って(笑)

男鹿という名字の由来も面白いものです。男鹿半島からやってきた3人の漁師兄弟がそれぞれ「男鹿」を名乗ったことに端を発し、今では元の名字が違う家どうしが同じ「男鹿」を名乗って親戚として繋がっているのだといいます。屋号が名字になった、太田町ならではの歴史の重みです。

こういった文化的な驚きも、太田町コースに参加すると体験することになるかもしれません。ただ、安心していただきたいのは、コースで訪れる場所には移住者や地域活動者が多く、激しい秋田弁が飛び交う場面はそこまで多くないこと。

むしろ本場の秋田弁を聴けるのは、夜に立ち寄る公衆温泉のサウナの中、というのがもっぱらの評判です。

課題は「はっきり物が言えない」お国気質。でも、確かに変わりつつある

太田町の課題についても、男鹿さんは正直に話してくれました。表立って意見を言うことをよしとしない風潮が残っており、「はっきり物が言えない」と感じることがあるといいます。しかしその一方で、変化の手応えも感じています。

大仙市には近年、都市部での経験を持つUターン者や移住者が増えており、彼らが持ち込む「おしゃれさ」や「発信する文化」が、地域の雰囲気を少しずつ変えてきています。

男鹿きみこさん

男鹿きみこさん

よその文化を持ってきた若い人たちがいろんなイベントをおしゃれにして、そこにまた若い人が集まってくる。いい雰囲気になってきていて。自分たちが住み続けたい地域はみんなが住みたくなるよね、というコンセプトで一般社団法人を立ち上げて、ぼちぼちお手伝いしている感じです

大学生が来ること自体が珍しいこの地域では、若い人の姿を見かけるだけで地域のお年寄りが顔をほころばせるといいます。

農家さんの手伝いを受け入れた後、終わってから「誰か来てたんだって?」と聞いてくる地域の方もいるのだとか。遠慮がちで控えめだけど、本当は関わりたくて仕方ない。そういう人たちが、太田町にはたくさんいます。

朝の散歩で、ナスとキュウリを袋いっぱいもらって帰ってきた

これまでの参加者には農業に興味を持つ学生が多く、「いずれは農業をしてみたい」という思いを持つ人が訪れることも珍しくないといいます。聞いてみると意外なほど農業志向の学生が多く、男鹿さん自身も驚いたそうです。

印象的なエピソードを聞くと、こんな話を聞かせてくれました。ある朝、参加者のグループが自発的に散歩に出かけ、帰ってきたらスーパーの袋にナスとキュウリをそれぞれ一袋ずつ持ち帰ってきたのだそうです。道中、農家の方と自然に言葉を交わし、気づけばたっぷりのお野菜をもらって帰ってきたのでしょう。

男鹿きみこさん

男鹿きみこさん

自分たちで散歩に行くことを決めて、自分たちでコミュニケーション取って、交流した結果のギフトをもらって帰ってくる。これぞECOFFっぽい関わり方だなと思って。すごく印象的でしたね

プログラムで決められた活動の外側にこそ、本当の体験が宿ります。男鹿さんはそれを大切にしています。

また、参加者の変化についても「1日目、2日目と、3日目以降では全然雰囲気が違ってくる。3日目を過ぎるともう本当にあっという間で、”あれ、もう明日帰るんだ”ってなる。

一日中、家族でもない人と一緒にいることってなかなかないですよね。みんな仲良くなりますよ」と話してくれました。

「困ったら言ってください」放任だけど、ちゃんといる

男鹿さんの参加者への接し方は「放任主義」だといいます。ただし、それは突き放すということではありません。車での送り迎えの際に自然と会話が生まれ、困ったことがあれば「わかった」と言って喜んで手伝ってくれます。

男鹿きみこさん

男鹿きみこさん

問題がなければ好きなようにやってください、というスタンスです。困ったと言われなければ放っておく感じですが、言われれば喜んで手伝います。しんどい時はしんどいって言ってもらうのが一番いいですね。みんな『ちょうどいい』はそれぞれ違いますから、遠慮せずに調整することが大事だと思っています

トマト、薪割り、そして圧巻の花火

太田町コースでは、大規模農業の現場から地域のイベント運営まで、多岐にわたる活動を予定しています。

夏のコースの体験をのぞいてみよう

太田町コースでは、農家さんのお手伝いが活動の中心です。近年はトマト農家や果樹園での作業、観賞用イネの収穫・天日干しなどがメインになっています。

農作業は日によって内容が変わるため、行ってみてからのお楽しみな部分もあります。

農業以外では、薪ストーブ用の薪割り(2〜3日ほど)、「ナイトマーケット」や「縁日」など地域の夜イベントのサポートなどがあります。

ナイトマーケットは地元の花火大会に合わせて開催されており、お手伝いの締めくくりには花火が打ち上がるというぜいたくな時間が待っています。

1日のスケジュールのめやす

  • 8:30〜9:00:活動場所へ出発(車での送迎)
  • 午前〜午後:農作業・薪割り・イベントサポートなど
  • 15:00〜16:00頃:作業終了
  • 夕方:近隣の温泉へ(複数カ所を巡ることも)
  • 夜:自炊または外食

ナイトマーケットのお手伝いがある日は10時頃に出発し、夜遅くまでの長丁場になります。ただし、ずっと動き続けるわけではなく、半分はイベントを楽しむ側として過ごせます。

お休みの日

休日には車で約1時間の「田沢湖」へ行くことが多いです。日本一の深さを誇る湖で、夏は遊泳場としても賑わい、サップやアヒルボートも楽しめます。

さらに奥には「乳頭温泉郷」という秘境の湯治場があり、茅葺き屋根の建物が残る昔ながらの温泉宿で、日常から完全に切り離された時間を過ごせます。

宿泊・食事について

宿泊は男鹿さん宅での民泊(男女別の相部屋)です。Wi-Fiも完備されています。食事は参加費の中から食材費を渡し、参加者自身でスーパーやコンビニに買い出しに行くスタイルです。

ただし、薪割りやナイトマーケットのお手伝いをする日はお昼や夕食を出してもらえることも多く、食事の心配はそこまで必要ありません。農家さんのところに出向く際はおにぎりを持参して、一緒に食べる場を作ってもらえることもあります。

周辺環境について

「田舎なのに便利」というのが太田町の正直なところです。宿泊施設から1キロ以内にコンビニ・役所・ホームセンター・ドラッグストアがあり、少し歩けばスーパーも。

個人商店のお肉屋さん・パン屋さん・地元野菜の直売所もあります。建物のすぐ裏からは田んぼが広がる、”街の便利さと田舎の景色がギリギリ同居した場所”。それが太田町です。

温泉について

活動後は地域の公衆温泉へ。農作業などで疲れた体を温泉が芯から癒してくれます。「温泉のおかげで疲れずにいられた」「肌が綺麗になって帰った」という声が毎回寄せられるほどで、その効果は折り紙つきです。

コース中に4〜5カ所の温泉を巡ることになる場合もあるほどで、”温泉めぐり”という副次的な楽しみもあります。お手伝いで帰りが夜遅くなった日だけは、宿のシャワーを利用します。

持ち物チェックリスト

必須:帽子・長靴(現地で貸し出しも可能)・作業用手袋(ゴム付きのぴったりしたもの。軍手は土でドロドロになりやすいのでおすすめしません。現地のドラッグストアでも購入できます)

服装:汚れてもいい服・パンツ(泥がつく作業あり。ツルツル素材のシャカシャカ系が◎。捨ててもいいものを持参するのがベストです)・薄手の上着(お盆明けは夜に冷えることがあります)

農家さんが「そんな格好で来たら汚れちゃうよ」と心配してしまうので、”いいもの”はなるべく持ってこないでください。汚れてナンボ、の精神でどうぞ。

「日本の原風景」とは、景色ではなく、人のことだと思う

インタビューの最後に、ECOFFのテーマである「日本の原風景を、未来に残す。」について聞いてみました。男鹿さんは少し間を置いて、静かに答えてくれました。

「やっぱり『人』ですかね。景色的なものを残すのは正直限界があって。うちのすぐ西側の家も先週、屋敷林を切ってしまって。昔から風よけのために家の周りに木を植えていたんですけど、管理できなくなって。止めることはできない。だから残るのは、そこにいる人だと思います。おせっかいだけど、古臭いけど、本当は喋りたくて仕方ないじいじ、ばあばたち。都会に出たけど戻ってきた人たち。この地が好きで帰ってきた人たちが、ここに確かにいる。それが原風景だと思っています。」

「散居村(さんきょそん)」と呼ばれる、田んぼの中に家が点在する太田町の風景は、屋敷林が失われるにつれて少しずつ変わっていっているかもしれません。でも、そこに生きる人の温かさは、まだ確かに残っています。

自由に来て、自由に体験を掴みに行ってほしい

「自由にやっていただいて大丈夫なところです。ただ、自分たちでその体験を掴みに行かないと、いろんな体験はできなくて。活動の時間以外の時間を有効活用して、地域のじいじ、ばあばたちを構いに行って、それを楽しめるような体験をしてもらいたいなと思います。」

疲れたら「疲れた」と言えばいい。しんどい時は「しんどい」と言えばいい。無理に何かをしなくていい。ただ、自分から扉を開けてみることだけを、男鹿さんは願っています。

扉の向こうには、袋いっぱいのナスとキュウリを持たせてくれるおじいちゃんがいるかもしれません。試し打ちの花火が夜空を切り裂く瞬間があるかもしれません。温泉のサウナで、まったく聞き取れない秋田弁の会話に圧倒されるかもしれません。それがきっと、あなたにとっての太田町になります。

「全ては馬でできている」という自己紹介から始まった男鹿さんとのインタビュー。気づけばウユニ塩湖のような水田風景、馬のこと、屋敷林の話まで、太田町という土地のレイヤーを一枚一枚めくるような時間になりました。

男鹿さんが大切にしているのは、「プログラムの外側」にある体験です。決められた作業をこなすだけでなく、自分から地域に踏み込み、人と話し、日常に混じっていく。そんな能動的な姿勢を持つ方を、太田町は静かに待っています。

農業に興味がある方はもちろん、「田舎の人って実際どんな人なんだろう?」という素朴な好奇心を持つ方にも、ぜひこのコースをおすすめしたいと思います。花火と温泉と美味しい野菜と天の川が、あなたを待っています。

体験記

参加者の声

宿泊施設について

宿泊は男鹿さん宅での民泊(男女別の相部屋)です。Wi-Fiも完備されています。食事は参加費の中から食材費を渡し、参加者自身でスーパーやコンビニに買い出しに行きます。

 

よくある質問

できます。

ECOFFは、経験よりも「やってみたい」という気持ちを大切にしています。多くの参加者が未経験からのスタートです。

主に大学生・若者世代を対象としていますが、プログラムによっては社会人の参加も可能です。

※詳細は各募集ページをご確認ください。

宿泊費・食費・プログラム運営費などが含まれます。

交通費は原則自己負担です。

可能です。

ただし、参加可否はそれぞれ個別に判断されます。

コースごとに異なります。

数日〜2週間まで幅があります。

原則できません。

プログラムは全期間参加を前提に設計されています。

作業しやすい服装・汚れてもよい靴が基本です。

詳細な持ち物についてご質問やご不明点がある場合は、参加確定後にご案内するLINEグループでご相談ください。

※この時点では正式な申込みではありません。
※内容を確認のうえ、事務局または世話人からご連絡します。