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島の過去を知る父と、島の未来を描く兄

中村勇貴さんと日高助廣さんの村おこしボランティア

口之島

募集情報

村おこしボランティア【口之島コース】

  • 参加者層:大学生を中心としたプログラムです
  • 募集日程
    • 仮夏日程:2026年8月7日(金)〜2026年8月16日(日) 【9泊10日】
  • 参加形態:少人数制(1〜8名程度)
    はじめての方・1人参加がほとんどです。
    人数に関わらず実施され、事前相談は早めにエントリーされた方から行います。
  • 費用:46,900円(リピーターは3,000円引き)
  • スケジュール
    • 初日
      • 21:00 フェリーとしま待合所で参加者集合
      • 23:00 鹿児島港から口之島へ出発
        ※ECOFFからの同行スタッフはおりません。事前に作成するLINEグループを使い参加者同士で合流してください。
    • 2日目
      • 05:00 口之島到着
      • 午前 オリエンテーション
      • 午後 島内案内・顔合わせ
      • 夜  伝統行事(盆踊り・狂言)練習
    • ボランティア期間中
      • 08:00〜10:00 午前のボランティア活動(農作業、畜産、民宿の手伝い等)
      • 10:00〜15:00 お昼休み・自炊
      • 15:00〜17:00 午後のボランティア活動
      • 20:00〜22:00 盆踊り・狂言の練習
        ※合間に自然体験なども予定しています。
    • 最終日
      • 11:35 口之島から鹿児島港へ出発
      • 18:20 鹿児島港到着・解散
        ※鹿児島港への到着は天候等により遅れる可能性があります。鹿児島港から鹿児島空港までは2時間ほどかかりますので、帰りの航空券等は余裕を持って手配してください。
    • ※「フェリーとしま」は天候により運行が大きく左右されます。直前には必ず十島村公式ホームページ等で最新の運航情報をご確認ください。
  • 備考

    現在の日程は暫定的なものとなっております。正式な日程につきましては、十島村営フェリーの運航スケジュールが確定した後に決定いたしますので、あらかじめご了承ください。

※ 参加申し込みではありません
※ 募集開始時にメールでお知らせします

北緯30度の風が、そっと通り抜ける場所。

鹿児島港から船に揺られて、南へ。 屋久島を通り過ぎ、さらに進んだところにその島はあります。 鹿児島県十島村、口之島(くちのしま)。

トカラ列島の玄関口にあたる、人口100人ほどの小さな島です。

ここには、都会とはすこし違う、独自の時間が流れています。 風の音。 波のざわめき。 そして、どこか懐かしい、人の体温。

この島で暮らす二人の世話人が、あなたを待っています。 一人は、御年72歳(2026年インタビュー時)になる日高助廣さん。みんなからは「スケさん」と呼ばれています。

もう一人は、平成生まれの36歳、中村勇貴さん。

二人が紡いできた日々の営みのなかに、 この夏、全国から集まる大学生や高校生が、 村おこしボランティアとして、そっと混ざり合うことになります。それはとても静かで、けれど確かな、地方創生のはじまりなのかもしれません。

日高助廣さん

日高助廣さん

口之島は、情けの島なんです。口調は早いけれど、みんな人間をとても大事にしていますよ

遠い場所をめぐり、この土の上に立つ。

二人の歩んできた道は、それぞれに違います。 でも、不思議と同じこの島に、引き寄せられるようにして今、ここにいます。

スケさんは昭和29年、この口之島で生まれました。 15歳で島を出て、大阪や東京で15年ほど過ごしたそうです。

「もともと、島に戻るつもりなんて全くなかったんですよ」

そう言って、スケさんは少し照れくさそうに笑います。

30歳のとき、プライベートで少し寂しい出来事があり、一人でいた父親から「帰ってこい」と言われたのがきっかけでした。

1年だけのつもりで帰ってきたのに、気づけば島に入り込み、もう40年が経ちました。

中村さんは、平成元年生まれ。 23歳のころ、鹿児島市内でアルバイトをしながら、正社員の仕事を探していました。

けれど、当時の景気はあまり良くなく、なかなか思うような仕事が見つかりません。

そのとき、ひと足先に口之島へ戻って漁師をしていたお父さんから、「島へ来ないか」と声をかけられたそうです。
最初は「ちょっと行ってみようかな」という、軽い気持ちだったと中村さんは振り返ります。

最初は船に乗るとすぐに酔ってしまい、ずいぶん苦労したそうです。 それでも、ダイビングの仕事を手伝い、漁師として海へ出ました。

やがて「漁師一本では厳しい」と考え、一念発起して民宿を立ち上げました。今では、その民宿で毎日の美味しい食事を担当しています。

Uターンのスケさんと、Iターンに近い中村さん。 世代も、生まれ育った背景も違います。

それでも、この島の土を踏みしめて生きる二人の姿には、飾らない強さがあります。

中村勇貴さん

中村勇貴さん

最初はただ仕事がなくて、ちょっと行こうか、くらいの気持ちで来たのが最初だったんです

現在の暮らしと地域の現実──にぎやかさの影にある、静かな寂しさ。

二人は現在、口之島の暮らしを支える中心人物です。 スケさんは、農業を営みながら、十島村の議会議員を18年務めています。

みかんや田芋、そして栄養豊富なモリンガを、汗を流して育てています。

中村さんもまた、民宿の経営をしながら、2年前から議員として活動しています。 さらに今年度は、口之島区の区長という重責も引き受けました。

それぞれが、島の未来を背負って忙しい日々を送っています。

けれど、二人が語る口之島の表情は、明るいものばかりではありません。 「近年は、人口の減少が本当に激しい」 スケさんは、そう言って少し目を伏せます。若手がほとんどおらず、生産年齢の人口が足りていません。

中村さんも、「島にこれといった強い産業がないことが、やはり大きな課題だと思う」と静かに語ります。

口之島にしか自生しない幻の「タモトユリ」

皆が自分の仕事で手一杯になり、新しいことを始める余裕が失われつつあります。 かつて奄美からの密航中継基地として2,000人以上がひしめき、自分たちが子どもの頃には活気に溢れていた島。 その島が、少しずつ、静かになっていく。

その現実を隠さずに話してくれるお二人の言葉には、この島を愛するからこその、深い切実さがにじんでいます。

日高助廣さん

日高助廣さん

先人たちが残してくれた共同売店をなくさないように、なんとか私たちが継続しているんです

ECOFFとの関わり・学生への思い──新しい風が運んでくる、ちいさな奇跡。

そんな口之島に、ECOFFの村おこしボランティアとして、若い人たちがやってきます。大学生や高校生が島に入ることについて、お二人はとても大きな期待を寄せています。

「若い人に、元気をもらいたいですね」 スケさんは嬉しそうに語ります。 若手の姿がほとんど消えてしまったこの島にとって、ただそこを若い人たちが歩いている、それだけで、島全体にエネルギーが満ちていくのだと言います。

中村さんは、また少し違った視点で期待を寄せています。 「ある程度年齢を重ねると、どうしても考え方が固まってしまう。だからこそ、次の時代を作る若い子たちの視点が欲しいんです」

今、世間ではどんなものが求められているのか。 島のどのような部分に価値を感じるのか。

そうした素直な「若い視点」との交流が、硬くなった島の空気を柔らかくしてくれるはずだ、と中村さんは信じています。

島の知名度は、まだまだ高いとは言えません。 だからこそ、来てくれた学生たちに「口之島にはこんなにいいところがあるんだ」と感じてもらい、

それを自分の言葉で周りの人に伝えてもらうこと。

それだけでも、この島にとっては、かけがえのない第一歩になるのです。

中村勇貴さん

中村勇貴さん

若い人たちと交流することで、自分たちも新たな視点を持つことができる。それが今、島に欲しい部分です

完璧でなくていい、ただそこに居てくれるだけで。

口之島ボランティアの大きな特徴は、なんといっても、 毎年8月15日に行われる伝統行事「口之島盆踊り」と、400年以上の歴史を持つ「口之島狂言」への参加です。

文字起こしを読むと、狂言と聞いて、すこし緊張してしまう学生もいるかもしれません。 「自分にそんな伝統的な演劇ができるのだろうか」と。

でも、スケさんは笑ってこう言います。 「やる気さえあれば、完璧に教えられますから大丈夫」

中村さんも、Iターン移住1年目のときに同じような不安を抱えていました。 盆踊りも狂言も一度も見たことがない状態で、いきなり役を任されたそうです。

それでも、スケさんの丁寧な指導のもと、1週間でなんとか覚えてやり切ることができました。

「失敗しようがないし、怒られたりもしない。だから安心して来てほしいです」と、中村さんは自分の体験をベースに語ってくれます。

お二人が大切にしているのは、技術の上手さではありません。 「やってみよう」という素直な気持ち。 それだけで十分なのです。

島の人たちも、完璧な舞台を求めているわけではありません。

若い人たちが伝統の衣装を身にまとい、いっしょに汗を流してくれる。

その姿そのものが、島の人々の心を深く温めてくれるのです。

日高助廣さん

日高助廣さん

何十人もの若者に教えてきましたから、大丈夫。とにかく最初の一歩目が一番大事なんです

島での活動と暮らし

ここからは、実務的な内容をすっきりと整理してお伝えします。事前にしっかり確認して、安心して島へ向かいましょう。

1日の大まかなスケジュール

夏場は非常に気温が高くなるため、熱中症対策を最優先にしたスケジュールを組んでいます。

08:00〜10:00:午前のボランティア活動
比較的まだ涼しい朝の時間帯に、農業の手伝い、畜産(牛への簡単なエサやりや草運びなど)、あるいは民宿の手伝いを行います。

10:00〜15:00:お昼休み・自炊
10時を過ぎると屋外は非常に暑くなるため、長めの休憩を挟みます。みんなで宿舎に戻り、お昼ご飯を作ってゆっくりと過ごします。

15:00〜17:00:午後のボランティア活動
少し日差しが和らいだ夕方前に、再度ボランティア活動(簡単な軽作業など)を再開します。

20:00〜22:00:盆踊り・狂言の練習
夜は、島民の皆さんと一緒に伝統の盆踊りや口之島狂言の練習に打ち込みます。最初はステップが難しく感じるかもしれませんが、みんなで楽しく汗を流す時間です。

持ち物について

島での生活や活動をスムーズに行うための、必要な持ち物リストです。

現地に用意があるもの(持参不要)
盆踊り本番用の浴衣(ゆかた)

タオル

各自で持参いただくもの
作業用の服装
動きやすく汚れても良い長袖・長ズボン
長靴、作業用手袋(軍手):農作業や畜産のお手伝い時に必須となります。
帽子、日焼け止め、虫除けスプレー:南国特有の強い日差しと虫への対策は欠かせません。
白い肌着(シャツ等)と、白の短パン(または白い七分丈ステテコなど):伝統的な盆踊りの衣装の下には、必ず「上下白」の肌着を着用するという決まりがあります。サイズに個人差があるため、ご自身に合うものを必ず事前に準備して持参してください。

宿泊・食事環境について

島での共同生活の拠点となる場所と、毎日の食に関する情報です。

宿泊場所「あっぽう家」

十島村の島暮らし体験施設です。個室が4室あり、ベッド、冷暖房が完備されています。
※5名以上の参加となる場合は、大部屋の床にマットを敷いて寝る相部屋形式となります。

シャワー、洗濯機、自炊用の共同キッチン、冷蔵庫、電子レンジが完備されています。

徒歩1分圏内に、診療所や郵便局、十島村役場口之島出張所があり、非常に動きやすい好立地です。

食事は「3食自炊」が基本

食材は、民宿を営む中村さんが手配・提供してくださいます。それらを使って、参加メンバー同士で協力しながら自炊を行います。

お手伝いに行った農家さんによっては、お昼ご飯を代わりに用意してくださる場合もありますが、基本的には「自炊をする」という心構えでお越しください。

島には歴史ある「共同売店」があり、冷凍食品や一般的な食材、嗜好品を購入することができます。ただし、島外からの運賃が含まれるため、一般的な価格より2割ほど高めの価格設定になっています。

原風景をまもり、つなぐということ。

「原風景を未来に残すとは、どういうことでしょうか」 そう問いかけると、二人はしばらく、自分のなかで言葉を探すように静かに考えてくれました。

口之島に広がる田芋の畑

スケさんにとって、それは「田芋」を守り抜くこと、そして先輩たちの残した伝統農業と自然を、次の世代に渡していくことです。

日高助廣さん

日高助廣さん

私は、自分が現役の間はとにかく頑張ります。自然を大事にして、伝統的な農業を残したいんです

中村さんにとっては、島に生きる「人の思い」をつないでいくことです。

中村勇貴さん

中村勇貴さん

先人たちが、どんな思いでこの伝統や暮らしを今日までつないできたのか。それを、どんな形でもいいから次の世代へつないでいく。今回のボランティアも、そのための大切で温かい試みなんだと思います

口之島の景色は、美しい。 けれど、その美しさは、ただ自然がそこにあるからだけではありません。

だれかが守ろうと必死に土を耕し、だれかが消えかけた灯を次の人に手渡そうと、不器用に踏ん張っているからこそ、そこに美しい「原風景」が残っているのです。

口之島にだけ生息する野生牛

迷っているなら、思い切って、その風景の一部になってみませんか。 一歩目を踏み出したあなたを、トカラの海と、温かい二人の世話人が、両手を広げて待っています。

口之島コースは、ただの「体験型旅行」ではありません。400年もの間、人から人へと口頭で受け継がれてきた伝統文化に文字通り『溶け込み』、主役として舞台に立つ、一生に一度の挑戦です。

島民の方々の深い人情と、トカラの圧倒的な大自然に囲まれて、あなたの「第二の故郷」を見つけてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 農業やボランティアの経験がなくても、本当に大丈夫ですか?

A.全く心配ありません。世話人のスケさんは「やる気さえあれば完璧に教えられますから、安心して来てください」と話しています。実際に、Iターンの中村さんも最初は何も知らない状態から1週間で伝統的な狂言を覚えることができました。お二人が優しく、丁寧にサポートしてくれますので、経験の有無は一切気にする必要はありません。

Q. ひとりで参加する学生は多いですか?

A.ECOFFの村おこしボランティアに参加する高校生や大学生の多くは、一人での参加です。現地での共同生活「あっぽう家」で自炊をしたり、一緒にボランティア作業や盆踊りの練習に打ち込んだりする中で、すぐに一生モノの絆が生まれます。また、世話人や島民の方々も非常に温かくファミリーのように迎えてくれますので、一人での参加も安心です。

宿泊施設について

宿泊先は、十島村の島暮らし体験施設「あっぽう家」を利用します。冷暖房やベッド、共同のキッチン、洗濯機、シャワーが完備されており、徒歩圏内に診療所や郵便局があるため、安心して生活できる環境です。

お食事は、民宿を営む中村さんが手配した食材を使って、参加メンバー全員で協力しながら作る「自炊」が基本です。不慣れな自炊も、みんなで工夫して取り組むことで、島での生活をより深く味わう大切な時間になります。

よくある質問

できます。

ECOFFは、経験よりも「やってみたい」という気持ちを大切にしています。多くの参加者が未経験からのスタートです。

主に大学生・若者世代を対象としていますが、プログラムによっては社会人の参加も可能です。

※詳細は各募集ページをご確認ください。

宿泊費・食費・プログラム運営費などが含まれます。

交通費は原則自己負担です。

可能です。

ただし、参加可否はそれぞれ個別に判断されます。

コースごとに異なります。

数日〜2週間まで幅があります。

原則できません。

プログラムは全期間参加を前提に設計されています。

作業しやすい服装・汚れてもよい靴が基本です。

詳細な持ち物についてご質問やご不明点がある場合は、参加確定後にご案内するLINEグループでご相談ください。

※この時点では正式な申込みではありません。
※内容を確認のうえ、事務局または世話人からご連絡します。