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自然と共に生活してこそ得られるもの

今日は牛を他の場所へ移動させる作業をしました。牛を一つの場所へ集める際、広い広いまるで迷路のような牧場の中を逃げ回る牛たちを前にして、歯が立たない人間たち。作業の途中では中々集まらないことに対してみんな苛立ちや焦りを感じながら緊迫した空気が流れていました。何度も山地さんから助言をいただきながらも上手く牛を誘導できない自分に対して苛立ちも募ってきました。しかし、落ち着いてよく考えてみると相手は自然の中で生きる動物です。言うことを聞かないのは当たり前で、むしろ私たち人間が本来の自然の中で生きる動物達の本来の在り方に抗っているわけで、私が牛を誘導しようとしてもできないのはなんら不思議なことではないのかもしれないと思いました。

人間にとっての豊かさというと人々はみなお金や食べ物などの物質的な物を連想します。しかし私は、自然を理解し、そこから寛大な心や精神力を培うことこそが私たちが身につけなければならない豊かさだと思うのです。だからこそ、もちろん自然の恩恵に感謝することも大切ですが、自然の中で人間にとって不利な部分さえも受け入れることで、本当の意味での自然との共存、自然への感謝、そして豊かな精神も手に入れることができると考えています。

私たちが毎日汗を垂らしながらかき集める草に対しても同様です。今回参加した私たちはこれまでのグループと比べてもずっと草を取り続けている作業ばかりを行なっているようです。最初はその作業に飽きてしまったり、なぜこのようなことをしているのだろうかと考えた時もありましたが、梅雨明けは草木がたくさん生えるため、農家なども草刈りの時期がしばらく続くのが通例だと聞いた時、自然と隣り合わせの生活をする人々は常に自然に合わせているのだと気付きました。自然に合わせるということはそれを心から理解をしているということです。この考え方が自分に定着するのには時間がかかりますが、今回のこの経験で豊かな心が少しでも身についていれば良いなと思っています。

そして、今日は新たな地域活性化に繋がる発見がありました。牛を連れて行った新しい牧場は地域の方の所有地だそうです。みなさんご存知の通り、牛というのは大量の草を食べるので地域の方の土地に牛を放つと勝手に草を食べて、土地が綺麗になるという構造です。私はこれが地域活性化に繋がると考えます。田舎では山や土地を所有する人がいますが、その担い手は年々減少し高齢化が進めば手入れすることも困難になります。そんな時に山地さんと地域の方でコミュニケーションを上手く取って牛達が食べる草を地域の方の協力の元仕入れることができれば、地域の方にとっても生き生きとした生活が送れるし、牛にとっても草を思う存分食べることができるという良い関係性がうまれるなとおもいました。牛が人と人とを繋ぎそこから新たな人間関係がうまれ、地域がより明るくなる可能性もあるのではないでしょうか。

長々と書いてしまいましたが、明日が最後の活動になります。今ここに書いた思いや胸にしまっている気持ちをさらに広げられるように常に考えて作業を進めていきたいです。