江田島での体験で学んだ事。
私が1番印象に残ったのは「江田島の学校の話」です。
江田島では年々子供達が少なくなっていき学校が合併する事が増えているそうです。一見「全校生徒数が増えるなら、賑やかで良いじゃないか」と思うかもしれませんが、実際には大きな問題が2つあります。
1つ目、元来、少人数の学校には「少人数の方が生活しやすい子供達が集まっている場所」である事。なので少人数である事は何も問題では無いのです。ですが、合併する事によって、ずっと少人数で過ごして来た子供達が、いきなり大人数の輪に入れられ、ずっと座って授業を受けなければならなかったり、知らないクラスメイトとコミュニケーションを取らなければなりません。これはまだ小さな子供達にはとってはとても難しく、大きな心理的負担を生み出してしまいます。そうすると、学校に行きづらくなってしまう、いわゆる「不登校」の子供達が出てきてしまいます。
また「この学校じゃやっていけないから江田島外の学校に転校しよう」となって、転校をしても同様に、新しい場所で馴染めず不登校になってしまう、いじめられてしまうなど辛い思いをしている子供達が実際に多く出来てしまっているのです。
2つ目、「近くに学校の無い地域は徐々には活気が無くなる」という事です。これはどういう事かというと、近所に学校があれば、毎日登下校する子供達との「おはよう、おかえり、気をつけて帰ってね」などの、大人と子供のコミュニケーションの機会や、学校行事などの交流がありますが、廃校してしまうと当たり前にあった今までの交流が少なくなってしまいます。また、その地域の平均年齢が上がってしまう為、どうしても活気が少なくなくなったり、元気が無くなってしまうのです。
「話し合えば解決出来そうな問題なのでは?」と思うかもしれませんが、実際には「こういう事をしたいと思ってます」と島が島民に計画を公表する時には、すでに2年程前から計画を練っている場合が多いのです。長い時間をかけて練ったものを簡単には変えられませんし、合併や廃校ついては現地の人々が何十年もかけて反対をし続け、話し合いを重ねましたが、結局意見は反映されず、計画通りに進んでしまったそうです。
こういった「意見の違い」というのは他にも沢山あります。
「自然を守りたい」と「島を発展させたい」
「地域の人々との交流の機会を持てる施設がほしい」と「外から観光に来た人が得をする施設を作りたい」など。
「江田島をより良いものにしたい」という気持ちは一緒なのかもしれませんが、
私はこう思っています。「今日まで江田島を守ってきてくれた現地の人々が損をする政策は本当に島の為になるのか?」、「島の外から来る人は、島を大事に守って来てくれた現地の人が居てからこその風景を持つ江田島に惹かれたから来てくれたのではないか?」と。
私は江田島のこのような実態を知って悲しい気持ちになりました。なので私に出来る事はないのだろうかと考え、「1人にでも多くの人に島の声を届けたい、知ってほしい」という気持ちで、今レポートを書いています。
また、江田島のボランティアに参加して「第一次産業」について、深く考えました。私達が体験したのはオリーブの選定です。選定というのは傷ついてたりする悪い実を除けて、厳選する事です。これを何十箱も1つ1つ、人の手でやっています。江田島のオリーブは、収穫した実を24時間以内に圧搾してオリーブオイルにしなければならない為、「○時になったからお終い」という訳ではなく、「終わるまで」作業を続けます。
なので朝から晩まで、ずっと作業をしています。私は学生でアルバイトをしていますが、「○時〜○時まで」と仕事の時間が決められています。ところが、第一次産業で働く方達は自然を相手にしているので、そうにはいかないのです。何も作業が無い日もあれば、1日中働かなくてはならない日もあり、不安定なスケジュールで日々仕事をしてくれています。
江田島には牡蠣やオリーブなどの第一次産業を担ってくれている方が沢山いました。
すごくすごく大変な作業であり、このような「土台」が無ければ、私達がいつも通りの生活を送る事は難しくなるのだと思います。今回第一産業で働いてる方達と一緒に作業をしてみて、とても大きな感謝の気持ちと尊敬の気持ちが湧きました。
たったの1週間で沢山の事を学びました。でも、私1人が学んだだけでお終いというのははいけないのだと思います。
ボランティアを受け入れてくれた世話人の方が私達にしてくれたように、次の人に繋げる役割を担わなければならないと思うのです。
これから出会う沢山の人に江田島での経験を伝えて、私達の生活の土台となってくれている方達、自分の日常にはこんな支えがあったんだと、広く目を当て、感謝の気持ちを忘れずに、これから自分はどうすれば良いのか考え続ける。そんなふうに日々を過ごしていきたいです。
ボランティアを受け入れてくれた島民の皆さん、ありがとうございました。
筆者:M