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土壁づくり

今日の仕事は、小林さんのお手伝いで、土壁づくりをさせてもらった。もともとあった家を利用して改築を進めているからである。実は、改築は新築よりもお金がかかってしまう場合があるのだが、良い点もある。例えば、小林さんの家の土台は石なので、それをそのまま利用した方が、50年程で劣化するコンクリートにしてしまうより長持ちするのだそう。そして何より、古い家の方が面白い、と小林さんは仰っていて、私はとても共感した。ちょうど戦後の時期に建てられたその家の骨組みは、珍しい丸太で、今のベテランの大工さんでは再現できないという。物資が不足していたであろうその時に、あるもので、知恵を絞って作り上げられたのである。私は、長い月日を経て、当時の人の仕事ぶりを何となく感じ、他者と接した時に抱くあたたかい気持ちになった。

 竹の骨組みに壁の下地となる土を塗り付けていく中で、メンバーがお手本を見ながら、土の水分量を調整し、それぞれ塗りやすい方法を見つけ、モノにしていった。作業終了時に見てみると、各自の担当した部分は微妙に違った風だった。機械などで均質的なものをつくりあげるのでは感じ取れないであろう豊かさがそこにあると思う。

 また、野菜や果物を育てる農家さんとお話することもできた。その方は、トカランドで売られているゆすらうめジャムの生産者でもある。話を伺うと、そのジャムは1人で調理している上に、ゆすらうめには種があるため、こす作業が大変であることがわかった。だから、このジャムの値段にも納得できたし、たくさんお話した縁から、その方のつくった野菜、果物、加工品をとても食べてみたいと思った。消費者の購買意欲は、どのような生産者がつくっているのか、どのようにつくっているのか、といった商品のストーリーを理解すると高まるのではないかと考える。

 今日の活動で、自分にとって重要な、幸せの基準の一つが、人とのつながりであることをより自覚した。幸せは人によって異なるというところもまたおもしろいのだが、今回、自分の考え方を見直すことができたのは大きな収穫だと思っている。