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確かに名前があった命

今日は最終日なので、お世話になった家を隅々まできれいにした。他の班はやっていなかったであろう冷蔵庫の裏や上、キッチンの窓に渡るまで掃除をした。改めて今回のメンバーはファンキーだと感じる場面であった。

午後は牛の去勢手術があるということなので見学に行くことになった。

去勢手術は食肉が雄臭くなるのを防ぐためとすぐに雌牛と繁殖を試みてしまうのでそれを防ぐためだそうだ。

ここで私が初めて知ったことは、人工授精で繁殖させているということだ。

鹿児島などから良質とされる種牛の精子をもらい、雌牛も良質とされた牛の血統を持つものと掛け合わせて受精させるそうだ。

血統書を見せてもらうと確かに両親がきっちりと分かるように書いてあり、そこには牛の名前も書かれていた。

正直、私は”人工授精”や”去勢手術”などを聞いて名前などつけないほうが良いのではないかと思った。

だが、名前をつける理由を聞くと牧場の方は当然のように「その方が愛情湧くじゃん」とおっしゃった。

それを聞いて直後は「だから、つけないほうが良いのでは」と戸惑った。

それから少し時間がたった今は牛が生まれてお肉になるまでの一生の間にきちんと「名前」という食べ物ではなく生き物として扱われる瞬間があるほうが、救われるような気がした。それはただの人間のエゴかもしれないが、生き物を殺さないという選択ではなく元来人間がしてきたように命を頂くという意識をきちんと持つ方が大事なのかもしれない。

生産者の方は「愛情を持って美味しいお肉をつくる」という矛盾に思える行為を確かに矛盾なく行う姿がそこにはあった。

そのような取り組みをされている牧場の方には頭が上がらない

『この子は「こんぶ」から生まれたから「ひじき!」』笑顔でそう語る生産者の方を忘れずに、牛ではなく大切な命をこれからは頂いていこうと思う。

10日前に9人が集まりここには書けないような自分の悩みや過去の事などたくさんたくさん話して、最終日には「次はどこで会おうか」と当たり前に話す仲になった。

だから、別れについてはあまり書かなくて良いと思っている。

必ず、また会おう。

必ず、また帰ってこよう

それまでさようなら