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焼尻島の生活と産業

今日の焼尻島コースの日程は

・キッチンラックづくり(DIY)

・ウニ漁の寄港見学

・恒例となっためん羊牧場でのアザミ刈り

と盛りだくさんだった。

 私たちがいつもお世話になっている宿泊先「焼尻ゲストハウスやすんでけ」のキッチンストッカーをDIYするため、必要となる工具の使い方を学んだ。島では家具を購入するのではなく、しばしばDIYで自作する。というのも、島に家具を購入できる場所はなく、フェリーで輸送するのに時間もお金もかかるためだ。世話人の奥さんの話では、家具をインターネットショッピングで購入すると商品と同じくらい送料がかかるそうだ。そこで、現地にあるものを最大限活用するべく、使わなくなった家具や古家の木材を再利用する。島ならではの持続可能な取り組みが自然と行われてきたのだ。大量生産・大量消費の現代社会において、他にもその土地に根差した持続可能な取り組みがあるのではないかと考えるきっかけとなった。

 午前と午後の活動の合間にはウニ漁の寄港のシーンを見学させていただいた。焼尻島の主産業は漁業でありウニも豊富に採れる。ウニ漁は小さな一人乗りの船で行うため天候や波の影響を受けやすく、船を出せるタイミングも限られている。船は自力では寄港できないため、港で別の人に引き上げてもらう必要がある。夫が漁に出て、妻が引き上げるのが通例だ。夫が命がけで船を出し、妻が引き上げるシーンはドラマのような感動があった。

 午後は一昨日から継続して行っているめん羊牧場のアザミ刈りを行った。アザミとはキク科の植物で多数のトゲを有する植物である。牧草地に生えるアザミは羊にとって非常にストレスになるため、駆除をする必要がある。しかし、広大な牧場をたった3人で管理しているため人手不足が続く。そこで、私たちがボランティアとしてお手伝いさせていただいている。私たちと同じく牧場のお手伝いに来た町役場の方に話を伺うと、めん羊牧場は年間1400万円の赤字で焼尻島の観光資源を守るため町の税金で補填されているそうだ。私はめん羊が島の収入源の一つであると考えていたが、赤字であるという事実には驚いた。“幻の羊肉”といわれ高い評価をえている焼尻サフォークだが、消費地まで海上輸送が必要なためどうしても必要な生産コストがあがってしまうのだと考える。今日の作業を通して、新たな島の課題を発見することが出来た。

今日は島の生活での工夫や産業での課題を発見することができた有意義な活動ができたと思っている。明日からは本格的にDYIも始まる。気を抜かずに安全面に十分注意しながら活動していきたい。