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S.S.さん(2022年春日程)

今回のボランティアで一番向き合った言葉は「自然」です。牛の鼻につけられている鼻輪も乳牛の尻尾が切り落とされるのもすべて人間にとって都合がよいからなされることを知りました。鼻輪を引っ張ると言うことを聞くようになり、尻尾を切り落とすことで搾乳がしやすくなることを知り、動物にとっての自然な姿を想像できていないことに衝撃を覚えました。
牛乳がどんな品種の牛から採られているのか、牛乳はどんな牛から出てくるのかも全く考えていなかったことにも驚きました。ほかには、豚の尻尾も切り落とされるそうですがこれはほかの豚から尻尾をかじられて感染症にかからないようにするためみたいです。また、食用の鶏であるブロイラーは生後約50日で出荷される大きさになるそうです。一年間かけて育てられた雄鶏を殺して食べるイベントに参加してその雄鶏の姿や胸肉の大きさを見ることで、スーパーで販売されているお肉の大きさの不自然さを実感することができました。
自然の中では想定外のことが起こりうると考えながら行動しないといけないことも学びました。おなかがすいたり、急に雨が降ったり、お手洗いに行きたくなったり、車のバッテリーが上がってしまっても現代の生活の中ではあまり困ることはないと思います。コンビニに行く、ロードサービスを呼ぶなど解決策があります。しかし、自然放牧をしている場所はこの解決策を使うことが難しい環境の中にあります。そのため、お昼御飯は持参しておくようにしたり、常にレインコートを着用しレインコートの中に来ている服で体温を調整したりするなどの対策をする必要があります。単刀直入に言えば不便な環境です。しかし、この不便な環境で生きる活力が出てくることを実感しました。ボランティア初日終了後に晩御飯を食べているとシェアハウスに住まれている方から「ボランティアはどうだった?男になるだろ~」と言われました。その時は、今の自分にぴったりの言葉だなと思いました。想定外のことが起こりうる環境に身を置くことのいいところを見つけられたので、これからの生活の中でも活用していきたいと思います。
このボランティアは機会があればまたさせていただきたいと思っています。10日間ずっと筋肉痛で仕事がうまく運ばず成功体験を積んだわけでもなかったのですが、自然にはかなわないことを実感する時間が私にとってかけがいのない時間になりました。山地さんやシェアハウスの方々に出会えたことが私にとっての財産になりました。本当にありがとうございました。