📣 ECOFFは地域と参加者の安全のために、感染症についての対策および方針を定めています。詳しくはこちら

別府② 愛するということ

今日から本格的に自然放牧体験が始まりました。牧場は3ヶ所あり、車で移動します。現在、耕作放棄地を牛を育てながら牧場にしていく途中で、北海道のような広大で平坦なところではありません。広さはおよそ40ha(東京ドーム8個分)くらいです。牛はみんな大人しく、人を襲う心配はありません。牛は警戒心が強く、みんなビビりだそうです。

今日は主に餌やりをしました。米糠や大豆などの飼料を10kgずつ何十ケースに分け、牛たちの前にセットします。分けては置き、分けては置きの繰り返しです。餌を持って近づくとすぐに寄ってきてムシャムシャと器用に食べます。

牛にはそれぞれ個性があり、他の牛の餌を奪う牛がいたり、その隙に空いてる餌置き場に行く牛がいたりと、様々でした。そんな牛たちを世話人の方は名前で呼びます。「ノブおはよう」「こゆき今日は寒いな」と、まるで子どものように。そこに世話人の方の愛を感じました。

多くの消費者は牛肉を買う時、どこで作られたかや、脂身の多さ、色味などを見ていると思います。では、どのようにしてその牛が育ったかを考えたことはあるでしょうか。どのような環境で、どんなものを食べて、どんな過程を経て、消費者に届くのか。私自身考えたことはありませんでした。

この牧場の牛は廃用、つまり産めなくなった母牛です。そんな牛を自然放牧によってストレスを与えずに回復させます。畜産界にとって、放牧という方法はマイナーだそうです。廃用になっても安い値段で売ることはできます。ではなぜ世話人の方はこのような方法で牛を育てているのか。それは愛があるからだと思います。牛にも人生があり、幸せがある。いい終わり方をして欲しい。そう思える愛があるから。だからこそ自然と牛を名前で呼ぶのです。まるで子どものように。