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イネの根っこと人間の根っこに思いを馳せて

本日も昨日に引き続き、福留さんの田んぼで播種のお手伝いをさせていただきました。昨日は風が強く途中から雪かあられのようなものが降り出し、現地の方もこんなことはめったにない、この中で作業は大変だから中止にしようということで早めに切り上げになったため、今日はリベンジという形でした。昨日は根切りマットを敷くのがメインでしたが、今日は根切りマットの上に播種したポット苗を置き、その上にラブシートと有孔ポリを敷いていくという作業を行いました。風はあまり無く天気も良かったとはいえ、田んぼのぬかるみの中腰をかがめながら作業するのは楽ではありませんでしたが、それ以上に私が強く感じたのは人々の温かさでした。作業をしている間も「大丈夫か?ゆっくりでええで。別に急ぐ必要ないし」というような声をかけていただき、東京でいつも時間に追われあまり心に余裕が無かった自分にとって、その大らかさが新鮮で心に沁みました。休憩時間には、田んぼの土手で腰をのばしている私たちに対し、「慣れない作業で疲れたろ、いっぱい食べな」とお菓子やジュースを出してくださったのが本当に有り難く、温かい日差しの下美しい山々ときれいな田んぼを前にゆっくりと過ごせる時間がとても豊かで尊いものだと感じました。田んぼから農機具をしまう倉庫までの道には、7,8軒ほど家が見られましたがそのほとんどが空き家と聞いたのもまた印象的でした。空き家は3年くらい経つとボロボロになってしまうそうですが、確かに壁の一部が無かったり屋根が踏み抜かれていたりと寂しいものでした。「いっぱい空き家あるから、別荘にでもして遊びに来たらいいよ」と半ば冗談のように言って下さりましたが、実際に学生でこうした空き家をリノベーションするといったプロジェクトで活性化出来ないものだろうかと思いました。午後からはポット苗を置く四人組とラブシート及び有孔ポリを敷く四人組に分かれて作業しました。見た目以上に入ってみると端から端までが長く感じる田んぼの中を、午後いっぱいラブシートと有孔ポリを敷いていく中で、福留さんからは根切りマットやラブシートを敷く理由といった農作業の細かなことから、イネや植物の特性、さらには人生観や古来の歴史に至るまで様々な話を聞かせていただきました。そのどれもが学校では学べない生きた知恵や考えとして新鮮でした。特に「植物の一番大事な部分は根だ。根っこが無くなったら生きていけない。それは人間も一緒。」という言葉にははっとさせられました。お米を大事に育て、自然を大切にし、人々を大切にする四万十では、人間の幸せの根っこに思いを馳せること、感謝することも普段より容易なように感じられました。この気持ちはこれからも、四万十の風景と人々と共に常に心に留めておきたいと思いました。