「スマトラ島ってどこか分かる?」
第二次世界大戦後にスマトラ島から兵隊さんが持ち帰った1個の芋を種子島で栽培しはじめたのが安納いもの始まり。その栽培が安納地域から他地域に拡大したことにより、安納地域の名称を取って「安納いも」と呼ばれるようになった
今日は安納いも農家のケンタさんにお世話になって3日目。優しく、丁寧に、ユーモラスに色々なことを教えていただきました
まずは畑の雑草駆除と木の伐採。この時期になると、雑草がさつまいも畑に侵食してくる。そんな、生命力で溢れる雑草たちをひたすら抜いていく作業。立っているだけで全身から汗がふきだすような炎天下の中、ひたすらに作業をしました
「こんなに大変なのに、そんなにストイックに作業をする原動力だったり、モチベーションは何処にあるんですか?」
俺の素朴な質問に、ケンタさんは出荷の時だと仰っていました。俺にはわからなかった。たぶん、同年代の他の人よりかは忍耐強く、今を犠牲にすることは厭わない性格だけど、こんなにも大変な管理作業を乗り越えられるだけのストイックさは自分には無い。農家とは、厳しい世界だと感じました
作業が終わると、ケンタさんは日本一高いという大ソテツや古市家住宅という国指定重要文化財建造物の見学に連れて行って下さいました。その後は、一緒にお昼ご飯を作り、休憩し、ケンタさんのご両親のお家へお邪魔させていただきました
ケンタさんのお父さんとお話をしていく中で、決して順風満帆とはいえない人生のお話を聞かせていただきました。
「農家は江戸時代から生かさず殺さず」
そんな、厳しい農業のお話をされていました。それでも、別れ際に笑顔で「人生は楽しいことばかりだから」と仰っていたその目には、不思議な説得力がありました。
その後は、また畑に戻って作業の続きをしました。ずっとあの言葉について考えていました
「人生は楽しいことばかり」
やっぱり、人生は楽しいことばかりじゃない。これまでの人生、心が挫けそうなことは何度もあった。きっと、これからの人生も辛いことはたくさんある。今だって、全身から汗がふきだしている
「休憩しよっか」
ケンタさんが声をかける
車に戻る
プラスチック製のコップに麦茶を注ぐ
口をつけ、空を見上げる
こんなにも美味しい麦茶は初めて飲みました。そして夜になった今、今日あったことを振り返りながらこのレポートを書いています。覚えていることは、麦茶が美味しかったこと、他愛もない話をしたこと、綺麗なさつまいも畑の景色です。不思議と、記憶に残っているのは「楽しかった」という記憶だけ
帰り道、運転をしながらケンタさんは、農家の魅力がもっと伝わって欲しい。と仰っていました。本当に短い期間だったけれど、農家さんの魅力を垣間見ることができた。そんな1日でした
筆者:たいき

