「子どもたちが老後、ここに帰ってきた時に人がいなかったら寂しいでしょう。」
私はそれが共感できなかった。それは一体なぜだろうと自問しながら、帰る場所とはどんな所だろうと考えていた。
「あなたにとって故郷とはなんでしょうか。」
大学2年生の時、課題でそれを聞かれ、自分なりに回答を持ったことはある。故郷とは、たぶん自分にとって帰れる場所。そう想像しながら課題に取り組んだ覚えがある。帰れる場所。おそらくそれは、自分や誰かとの思い出に馳せる場所、再びあの時と同じような感情を味わえる場所、懐かしいと誰かと笑い合う場所‥。
自分は、とある訳で故郷から逃げてきたから、故郷に「帰る」という感覚がいまいち掴めない。でも、故郷でなくても、自分の帰る場所はいくつもある。それが都会だったり離島だったりして、会社の休みの日を狙っては、高い交通費を飛ばしてでもそこに行く。そして、久しぶりとかただいまとか言って、その場所で思い出をまた積む。
子どもたちが故郷の種子島に帰ってきた時に、その場所が再び思い出の積めるところでありたい。あれはそういう意味だったんだろうか‥。本土に着き、私は珈琲を飲みながらぽそぽそと考えていた。
(本日はECOFFの最終日。
朝6時に起きて部屋の掃除を隅々までしたあと、喫茶店風のレストランでランチ。
レストランでは普通サイズ表記でメガサイズなカキ氷が売られていた。私は食べきれないと思って、注文しなかったが実物はちょっと気になった。
車で移動中、限界集落のことや地域活動で若手が少ないことによる苦労、LGBTフレンドリーな受け入れ、将来の夢などについて諸々話した。
帰りの船では、お別れシーンで見かけるあの長いぴらぴらした紙テープを、船から島に向けて風になびかせた。
写真は船から見た種子島。
島が遠く映る頃、私はしゅわしゅわと感情が湧いていた。)
筆者:にんにん